昔はよかった…?

ただ、世の中には「昔はよかった」と言いたがる人が、
「昔はよくなかった」と言う人よりも多そうなので、
ぼくとしては、できるだけ「いま」のほうに、
肩入れしようとします。
ずいぶんよくなったものだよなぁ、と思うことは、
いっぱいあるんですよ。
昔の「公衆」が集まる場所は、だいたい最低でした。
公衆便所は汚れていました。
そこに入るくらいならもらしてもいい、と思うくらい
とんでもなく汚い所もありました。
映画館なんかも、椅子はギシギシいってたし、
便所の悪臭やタバコの煙の匂いが充満していました。
いまの映画館や劇場なんて、
たいていの観客の自室よりきれいでしょう。

電車だとか、汽車だとかでも、
混んでいるということの限度を超えていて、
いまだったら考えられないくらい押し合いへし合いして、
もっと憎悪が渦巻いていたような印象でした。
いまの乗客は、よく譲りあってると思います。
雨の日の道路はぬかるみだらけでしたし、
そこを通るクルマは泥水をはね上げていました。
なんか、「公衆」というか「大衆」というか、
人がおおぜいいるという所は、いやな場所でした。
いまは、まったくそんなことないでしょう?
少しずつ少しずつ、よくなってきたんですよ。
やっぱり豊かになったのは経済ばかりというけど、
並行して豊かになったものも、あるんですよ、きっと。
ぼくは、あんな公衆便所に入りたくないし、
映画館にも行きたくない、電車だって乗りたくないです。
なつかしいなぁとも、思えないんですけどねぇ。
ほぼ日刊イトイ新聞 - 目次 09/10/20 









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